不動産投資は、利回りや相続税対策が目的なだけではなく、生命保険の代わりにもなり得ます。 今回は、不動産投資を始める前に知っておきたい、生命保険としての不動産投資についてご説明いたします。
・不動産投資を生命保険の代わりにするには団体信用生命保険加入が必須
マンション、アパート共に融資を受ける際は、団体信用生命保険(通称「団信」)に加入します。 団信に加入することで、不動産投資が生命保険としての価値を持ちます。
・・1.団信に加入していれば借り入れなしのマンションが残される
団信に加入している不動産オーナーが死去した場合、その不動産は遺族に残ります。この場合、オーナーにローンの残債があっても、遺族は、借り入れなしのマンションを手に入れられるのです。
例えば、4,000万円のアパートを購入したオーナーが、ローン残債1,000万円で亡くなったとします。この際の残債1,000万円は、保険会社が肩代わりし、遺族にはマンションだけが残されます。 団信は、オーナーが死亡または高度障害状態になった際に保険金でローンの残債を相殺。そのため、遺族には借り入れなしのマンションが残るという仕組みになっています。
・・2.団信に加入していれば生命保険料の節約も可能
不動産投資家の方の中には、一般的な生命保険に加入していない方もいらっしゃいます。それは団信に加入していれば、生命保険は不要とも言えるからです。団信と定期保険を比べた際、団信は払込期間が終了しても、不動産という資産が残る上に、保障を受けられます。
一方、一般的な定期タイプの死亡保険の場合、65歳以降は保障がなく、掛金も残りません。もちろん、終身タイプの保険を選べば、65歳以降も保障を受けられますが、その分、掛金は高くなり、負担が大きくなります。
このように、団信であれば終身タイプの生命保険となんら変わらない保障が受けられます。そのため、生命保険への支出を節約しても問題は生じません。
さらに団信であれば、保障に加えて不動産も残り、その後の家賃収入も得られます。捉えようによっては、生命保険よりも手厚い保障といえるかも知れません。
・・3.特約付きの団信も用意されている
初めて不動産投資をされる方の中には、「団信の保障は、死亡時あるいは高度障害状態になった時のみ適応されるのでは…?」と思っている方もいらっしゃることでしょう。
しかし、団信にはガン、急性心筋梗塞、脳卒中といった3大疾病にかかった場合でも、ローンが完済される特約付きのものがあるのです。
また金融機関によっては、3大疾病に加え、5疾患(糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎臓病)を合わせた8大疾病にかかった場合でもローンが完済される団信を用意している所も。
・不動産投資は家族への「資産づくり」
オーナーに万が一のことがあっても、遺族は家賃収入が得られる上、アパートであれば土地も残る不動産投資。これは生命保険の代わりとなる「資産づくり」と言えますね。
「資産づくり」には団信への加入が必要不可欠です。死亡、高度障害状態時以外にも保険適用される団信もあるので、よく確認してから加入しましょう。